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がんばれ!足柄さん!3

清々しい朝、空には雲ひとつ無い青空が広がり、太陽も眩しく輝いている。
そんな爽やかな日差しの中、私は執務室で職務をこなしていた。

今日の秘書艦は足柄。
彼女はとても良くやってくれている。
が、今日も彼女はとても浮かない顔をしていた。

「ふぅ……」

彼女の唇から溜め息が漏れる。

「どうした足柄、また例の悩みか?」

私はまたしても気落ちしている彼女に問いかけた。
そんなに男性から人気が無いことが嫌なのだろうか。
いや、実際は人気があるのだが。

「そうなんです、ずっと悩んでいるんですけど……」

またしても思い詰めているようだ。
こういう時は大概良くない方向へ進む。
そんな彼女を止めなければならない。

「私、色々と考えたんです」

今度は何を考えたのだろうか。

「それで、思ったんです」
「今までは可愛らしさを求めすぎたのかなって」

そうだ、今までは足柄の方向性とは異なるチョイスばかりだった。

「うむ、そうか」
「過去を振り返って糧とする、素晴らしいことだ」

今度は良い方向に進む気がしてきた。

「だから、もっと淑やかな艦娘を研究しました!」

「いったい誰を研究したんだ?」

「天津風ちゃんです!」

またしても駆逐艦である。
なぜなのか。

「そ、そうか」
「彼女は落ち着きがあり淑やかな艦娘だからな」

足柄とは真逆のタイプである。

「そうなんです!やっぱり男性はそういう女性が好みなのかなって!」

間違ってはいないが、やはり間違っている。
だが彼女のやる気を削ぐ訳にはいかない。
ここはどんと受け止めてやるのが提督というものだ。

「そうだな、天津風のような甲斐甲斐しい女性には惹かれるものだ」

天津風はツンデレ、と思わせておいてかなり甲斐甲斐しい女性だ。
そのギャップがたまらない。

「そうですよね、だから私も尽くす女性を演じてみようと思います!」

演じるだけでは駄目な気もするが。
まぁいい、好きなようにやらせてやろう。

「そうかそうか、チャレンジするのは良いことだぞ」

「はい!私の甲斐甲斐しさに酔いしれて下さい!」

自信満々である。

「うむ、ではやって見せてくれ」

「任せて下さい!」

……

「今日も良い風ね……」

「うむ、そうだな足柄よ」

「どういう風の吹き回しかしら?」

どうもこうも無いが。

「む?他意はないぞ?」

毎回だが、唐突だ。
台本でもあるのだろうか。

「やだ、髪は触んないでよ、吹き流しが取れちゃうじゃない」

もちろん触っていないし、吹き流しは付いていない。

「すまないな、気になったものでな」

しかし話に合わせてやるのが提督の努めだ。

「朝よ、朝食を用意しておいたわ」

またしても唐突だが、気が利くではないか。

「勝利定食でいいわよね?」

あれ、天津風といえば和朝食ではなかったか。
それ以前に勝利定食って何だ。
ま、まぁ、気にしたら負けだ。

「うむ、頂こう」

カツがどっさり盛られている。
朝からヘビーである。

「そろそろ艦隊を本格的に動かす時間よね、どうするの?」

「うむ、艦隊を再編成して遠征に出そう」

仕事はきっちりこなすようだ。
ところで、隣にいる物体は何だろう。

「なに?20.3cm(2号)連装砲くん?可愛いでしょ、艦首にちょこんと」

ちょこんと、どころではない。
またしても3体もいるではないか。
圧倒的存在感である。

「そろそろお昼ね、カレーでいいかしら?」
「わりと得意なの、本当よ?」

「うむ、頂こう」

カレーか、スタンダードだが悪くない。
そう思っていた時期が私にもありました。

「私のカツカレーどうだった?」

「う、うむ、美味しかったぞ」

「うんっ、よろしいっ!」

昼もヘビーである。
なぜまたカツなのだろうか。
まぁ、美味しいから良いのだが。

そして仕事はつつが無く進行してゆく。
平和だ、実に平和だ。
食事がカツなこと以外は今のところ普通に過ごしている。

しかし、20.3cm(2号)連装砲くんが突如暴れだした。

「おかしいなぁ、20.3cm(2号)連装砲くんの機嫌が悪い……なんで?」

20.3cm(2号)連装砲くん!頼むから暴れないでくれ!
うわ、砲塔を振り回さないでくれ!
危ない、今頬をかすめたぞ……

「あ、足柄よ、なんとかしてくれないか」

「20.3cm(2号)連装砲くん、大丈夫よ、落ち着いて!」

足柄は20.3cm(2号)連装砲くんの砲塔をわし掴み、腕力で押さえつける。
20.3cm(2号)連装砲くんは暫くジタバタしていたが諦めて大人しくなったようだ。

「ふぅ、落ち着いたようね」

やや強引な気がしないでもないが、命の危機は去ったようだ。

そして日は落ち、宵の刻がやって来る。

「そろそろ夕食の時間ね」
「カツ揚げる感じでいい?」

あれ、天津風といえば焼き魚ではなかったか。
しかしまたしてもカツである。
そんなにカツが好きなのだろうか。

「う、うむ、よろしく頼む」

もっとこう、男ウケしそうな料理は他にあるだろうに。
定番といえば肉じゃがか、やはり和食はポイントが高い。
女子力の高そうなオムライスやハンバーグも良いかもしれない。
だが彼女の料理辞典にカツ以外の文字は存在しないらしい。

「どう?おいしい?」

「う、うむ、もちろん美味しいぞ」

「そう、よかった!」

胃もたれが気になるところだが、喜んでくれているので良しとしよう。
……後で胃薬を飲んでおこう。

コンコン
食事の余韻に浸りつつ休息していると、ノックの音が聞こえた。
来客だろうか。
これはまた嫌な予感がする。

「入りたまえ」

ガチャッ

「失礼します」
「提督、この書類の件で伺いたいことが」

入ってきたのは羽黒だった。
そういえば処理を依頼していた書類があったな。

「うむ、何か判らないことでもあったか?」

「あら、羽黒元気?」

嫌な予感は更に高まる。
足柄よ、頼むからしばらく黙っていてくれ。

「元気ですよ?姉さん、急にどうしたんですか?」

「えっなに?競争?しないわよ!夜だし!」

明らかに困惑する羽黒。
天津風といえば、島風がやってきて競争を迫られるイベントがあるが。
しかし羽黒はそれを知らないだろう。
そもそも足柄が天津風を演じていることを知らないだろう。

「競争って、何のことでしょうか……?」

「だから競争なんてしないって!羽黒しつこーい!」

やめてくれ足柄、後で妙高に怒られるぞ。
私まで一緒に怒られかねないじゃないか。

「ご、ごめんなさいっ!」
「私、帰ります!」

羽黒は涙ぐみながら走り去って行った。
あーあ、私は知らないからなー。

「やっと帰ったわね、もう、なんなんだか……」

おまえの方がなんなんだかだよ。
ここまで台本通りに動くと逆に清々しいな。

「そろそろ今日も終わりね」
「一日ご苦労様、また明日ね」

「うむ、今日もご苦労だった」

……

「提督、どうでしたか?」

「うむ、中々の天津風っぷりだったぞ」

ある意味、完成度は高かった。

「そうですか、これならいけそうですね!」

いや駄目だろう!
何と言うか、とてつもない違和感があったぞ。

「まぁ待て足柄」
「天津風といえば忘れていることが無いか?」

天津風といえば、アレである。

「えっ?何でしょうか?」
「私の天津風は完璧だったと思うのですが」

「足りないもの、それは服装だ」

天津風といえば、あの島風をも超える官能的な衣服だ。

「えっと、提督、それはさすがにちょっと……」

「何を言う!天津風を極めんとすれば服装を真似るのは必須!」

よし、面白い展開になってきたぞ。
もう一押しだ。

「一応用意してあることはあるんですが……」

用意してあるんかい。
準備が良いと言うか何と言うか。

「ではさっそく着て見せてくれないか」

「し、しかし……」

「足柄、君なら絶対に似合うから心配はいらない」

「そうでしょうか?そこまで言うなら着てみます」

やった!

「うむ、待っているぞ」

ガサゴソ
隣の部屋で着替える音がする。

「ていとく……」
「これはやはり恥ずかしいです……」

扉から顔だけ覗かせた足柄が恥ずかしそうにしている。
うーむ、この光景だけで男性は心奪われるのではないか。

「うむ、問題ない」
「さぁ見せてくれたまえ」

恐る恐る部屋に入ってくる。
こ、これは……!

「あの、提督、どうでしょうか……?」

「うむ、良く似合っているではないか!」

これは素晴らしい!
シースルーの上着、官能的な下着。
さらには胸を隠すように伸びたガーターベルトが艶姿をより一層引き立てる。

「そ、そうですか!」

ちょっと嬉しそうだ。

「うむ、とてもセクシーだぞ」
「その方面で攻めた方が良いのではないか?」
「そこらの男なんて一撃ノックアウトだろう」

これは間違いの無い本心だ。

「でも、この姿で出歩くのはちょっと……」

たしかに、これでうろついていたら憲兵に呼び止められかねない。
この服装が許されるのは天津風だからなのだろう。

「たしかにそうだな」
「まぁ、いざというときの勝負服にしたら良い」

「そうですね!チャンスは確実にモノにしないといけませんからね!」
「とりあえず、元の服に着替えてきます」

ちょっと嬉しそうに隣の部屋へ引っ込んで行った。
ちょろいやつだ。
そんなところも可愛いのだが。
そして元の服装に着替えた彼女が戻ってきた。

……

「で、どうだった足柄?」

「そうですね、やっぱり何かが違う気がします」

そうだろう。
やはり足柄と天津風では路線が違い過ぎる。
最後の服装は良かったが。

「まぁ、そう簡単に見つかるものではないさ」
「そのうち足柄に合うキャラが見つかるさ」

「そ、そうよね!焦ってはだめよね!」

「うむ、足柄なら大丈夫だ」

ちょっと嬉しそうな足柄を見て私は安心した。
彼女が元気になるのならこの茶番に付き合うのも悪くはない。

「ありがとう提督、元気が出たわ!」

「それは良かった、では残りの仕事を片付けてしまおう」

「わっかりましたぁ!私、足柄に任せておいて!」

こうして今日もまた彼女は笑みを取り戻した。
この平和がいつまでも続きますようにと提督は願った。
そして提督と足柄は日常へと帰っていったのである。

- Fin -


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[ 2015/04/08 21:00 ] 艦これショートストーリー 短編 | TB(-) | CM(2)

相変わらず危険な匂いがぷんぷんの足柄チョイスであるw

アニメ版では料理上手をひとつのステータスと捉えて悲壮なまでの覚悟を見せてましたが、雷鳥提督さんとこの足柄さんはカツがお好きな様子w

[ 2015/04/09 01:03 ] [ 編集 ]

>クマトト さん
足柄さんといえばカツです!
時報で大量に揚げていたので多分好物ですw

アニメはちょっとやり過ぎな気がしないでもないですが、
多分料理は上手なのでしょう。
コッテリしたものが好きそうなイメージですw
[ 2015/04/09 18:12 ] [ 編集 ]

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