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浜茶屋執務室 -秘書艦北上の一日-

この夏、提督執務室は浜茶屋間宮として新装開店した。
執務用の机は取り払われ、代わりに焼きそばやカレーが所狭しと並べられたカウンターが置かれている。

外を見ればどこまでも続く砂浜。
青い海、弾ける飛沫、はしゃぐ艦娘達。

そこはまるで楽園のようであった。

……

「あついよーあついよ~……溶けそうだよー」
「提督ー、なんで執務室がこんなことになってるのさー」

今日の秘書艦は北上だ。
そして彼女は床に崩れ落ちている。

「うむ、それは夏だからだ」
「夏といえば海、海といえば浜茶屋」
「やって来る艦娘達を労うのも提督の仕事だぞ」

非番の艦娘達はよく海にやって来る。
良い気分転換になっているのだろう。

「それなら私のことも労ってよ~」

「何を言っているのだ、北上は秘書艦として執務中ではないか」

「こんなに暑くちゃ仕事できないよ~」
「クーラーつけようよクーラー」

北上は地を這いながら訴える。

「何を言っているのだ」
「フルオープンなのにクーラーつけても意味がなかろう」

ここは執務室であるが浜茶屋だ。
もちろん扉などない。
そもそも扉の面の壁を取っ払っている。

「じゃーかき氷食べていいー?」
「このままじゃ熱中症になっちゃうよー」

片隅には業務用かき氷器が鎮座している。
もちろん氷もセットされている。

「仕方ない、好きな物を食べるといい」

シロップは王道のイチゴやメロン、それに抹茶もある。

「ほんとに!?じゃー宇治金時食べる!」

「渋いチョイスだな」

「あんこは正義だからねー」
「あー、頭に響くー」

あまりにも暑かったからか、北上はかき氷を一気にかき込み頭にきているようだ。
あの頭がキーンとなる現象は夏の風物詩と言ってもいいが、中々に辛い。

「ゆっくり食べなさい」

そして北上はかき氷を食べ終える。

「よし、少し元気になったし、あたし泳いでくるよ」

「まてまて!秘書艦の仕事はどうするのだ!?」

駆け出す北上、止める提督。

「そんなの後でいいじゃん~」
「日が落ちてからやるよー」

「駄目だ」

「ちぇーっ」

相変わらず北上はサボりたがりだ。
しかしそれを上手くコントロールするのも提督の勤め。

「それに水着を持っていないだろう」

今年、北上は水着を買っていないはずだ。
なぜ水着を持っていないことを知っているのかって?
それは秘密だ。

「提督が買ってくれないからだよー」

「買ってやりたいのはやまやまだが、予算が下りなくてな」

ダメ元で申請したが、やはりダメだった。
かなり粘ったのだが、大淀は首を縦に振らなかった。
大淀に言われた「経費で買ってあげても喜びませんよ」という台詞が胸に響く。

「明石さんには買ってあげたくせにー」
「ひいきだー、ひいきだー!」

「あれは何故か工廠費で落ちたのだ」
「いったいどうやったのだか」

明石はちゃっかり水着をゲットしていた。
彼女は大淀と仲がよい。
まぁ、単純に工廠がかなり暑いからだろうが……

「ずるいよねー」
「あたしも魚雷売って水着買おうかなー」

北上は魚雷を何十本と支給されている。
たしかにかなり高価な物なので、売れば相当な額になるだろう。
売れれば、だが。

「そんな物騒な物を売るんじゃない!」
「それに次の作戦でその魚雷には活躍してもらわないといけないからな」

北上は言わば最終兵器だ。
それなのに最後の最後で魚雷が無い、では洒落にならない。

「ちぇーっ」
「水着欲しかったなー」

「本当に残念だ、真に遺憾だ」

北上の水着……あぁ、水着姿が……
妄想の世界へ旅立つ。

「じーっ」

見つめる北上。

「はっ!?」
「別にやましいことは考えていないぞ」

我に返る提督。

「ふーん、別にいいけど~」

北上はニヤニヤしている。

「ま、まぁ、給料が出たら買ってやらんこともないぞ」
「たしかに北上はよく働いてくれているからな、労ってやらねばならない」

という建前だ。

「やったー!提督にも見せてあげるからね~」

「う、うむ。期待しているぞ」

北上の水着姿……
そしてまた妄想の世界へ旅立つ。

「提督、顔が緩んでるよ~」

「はっ!?そ、それは幻覚ではないかね?」

急いで顔を引き締める。

「別にいいけどね~」

北上は相変わらずニヤニヤしている。

「さ、さぁ、執務を進めるぞ」

「はーい」

暑い中、執務を進める。
そこに一人の艦娘がやって来た。

「こんにちはー」

「へい!らっしゃい!」

「提督、その掛け声はちょっと違う気がするな~」

やってきた艦娘は入り口で困惑している。

「あのー……」

「おー、阿武隈じゃーん」

やって来たのは阿武隈だ。

「げっ、北上さん、なんでこんな所にいるんですか?」
「秘書艦の仕事はどうしたんですか?」

「いやだなー、ここは執務室だよー?」

ぱっと見浜茶屋だが、ここはれっきとした執務室である。

「そ、そうでしたね……」

「うむ、阿武隈よ食事か?」

「はい、何か食べようと思って」

「うむ、ではこちらの席へどうぞ」

阿武隈は席に着き、メニューとにらめっこしている。

「じゃあ、焼きそ……」

「カレーにしなよー」

阿武隈の注文を北上が遮る。

「えっ!?いや、私は焼きそばが……」

「提督、カレーひとつね!」

「はいよっ!」

「え、あ、あの……」

カレーがオーダーされる。
熱々のご飯に熱々のカレーがそそがれる。

「へい!おまちっ!」

阿武隈は困惑した表情で固まっている。

「やっぱり夏はカレーだよねー」
「阿武隈ー、あたしが食べさせてあげるよー」

北上は悪い笑みを湛えている。
これは確実に何かをしでかす顔だ。

「い、いや、自分で食べれますから……」

「そう言わずにさー」
「あーん」

北上はカレーをすくい、スプーンを阿武隈の口へと運ぶ。

「え?や、あ……」
パクッ。

嫌がりながらも受け入れる阿武隈。

「ふぁ、ふぁふい!」(あ、あつい!)

それはそうだろう。
なにせ出来たてのカレーなのだから。

「阿武隈、おいしいー?」

「北上さん!何をするんですか!熱いにきまって……」

涙ながらに訴える阿武隈。

「そうかー、おいしいかー」
「ほら次、あーん」

しかし阿武隈の抵抗虚しく、次のカレーが口へと運ばれる。
そして嫌がりながらも受け入れる阿武隈。

「ふぁ、ふぁ……ふぁふ……」(あ、あ……あつ……)

阿武隈は半泣きだ。

「そうかそうかー、おいしいかー」
「まだまだ沢山あるからねー」

次から次へと阿武隈の口に運ばれるカレー。
阿武隈の瞳が潤む。
恍惚の表情を浮かべる北上。

「ほら、最後の一口だよ?」
「あーん」

「あ、あーん」
もぐもぐ。

だいぶ冷めてきたのか、最後の方は普通に食べていた。
しかし熱いものは熱い。
阿武隈の頬を大量の汗が滴り落ちる。

「阿武隈ー、おいしかったー?」

「熱かったです……」

「そっかー、おいしかったかー、よかったよかった」

北上は相変わらず笑みを浮かべたままだ。
そして頬の汗を指先で拭う。

「きゃっ!?」

「こんなに汗かいちゃって、それに顔も真っ赤だよ?」

阿武隈は顔をそむける。
頬に手をあて、阿武隈の顔を前に向け直す北上。
阿武隈の頬がさらに赤らむ。

「阿武隈は可愛いなー」
「熱くなっちゃったから、冷たいものを食べようか」

「あ、はい」

ホッとした表情の阿武隈。
しかし北上は相変わらず悪い顔をしている。

「じゃー、かき氷ねー」
「味はイチゴがいいかなー」

またもや勝手に決める北上。

「もう、それでいいです……」

諦める阿武隈。
そしてかき氷が運ばれてくる。

「あっ……」

阿武隈がスプーンに手を伸ばすが、それより先に北上がスプーンを掴む。

「じゃー、口あけてー」

「いや、自分で食べれますからっ!」

「はい、あーん」

「あ……」
パクッ。

阿武隈はなすがままだ。

「おいしいー?」

「おいしいです」

普通に食べさせている。
阿武隈は安心した表情をしている。

「ほら、次ー」
「ほらほらー、次だよー」
「まだまだあるからねー、次次ー」

「え、や、北上さん、そんなに続けて食べたら……」

阿武隈の抵抗虚しく、次々とかき氷が口に運ばれる。

「んっ!んーっ!」

頭を抱える阿武隈。
冷たいものを一気に食べれば頭がキーンとすることは間違いない。

「どうしたのー?口、あけてー?」

「北上さん待ってください!まって……」

問答無用で口にかき氷を放り込む。
涙目の阿武隈。
北上は相変わらず恍惚の表情を浮かべている。

「北上よ、エグいやつだな……」

提督は思わず呟く。
かき氷はみるみるうちに減っていく。
阿武隈は半泣きになりながら……いや、泣きながらかき氷を食べている。

「んーーっ!」

阿武隈の声にならない悲鳴が執務室に響き渡る。
そして最後の一口を食べ終える。

「全部食べたね、えらいえらい」

「もう……いや……」

阿武隈は満身創痍だ。
北上は阿武隈の涙を拭い、頭を撫でる。

「本当にお前たちは仲が良いな」

提督は素直な感想を口にする。

「もちろんだよー」

「良くないですっ!」

北上と阿武隈の声が重なる。

「はっはっは、仲良きことは素晴らしきことだ」
「さぁ北上、執務に戻……」

「じゃ、阿武隈と泳ぎに行ってくるねー」

「えっ!?ちょっ、私は行きませ……」

北上は強引に阿武隈の手を引き駆け出す。

「北上!まっ……」
「まぁ、良いか」

提督は静止するのをやめて、温かい目で二人を見送った。

「ほらほら、行くよー」

「北上さん、そんなに引っ張らないでーっ……」

二人の声が遠ざかる。

「まぁ、こんな日も悪くないかな」
「平和だ」

提督は走り去る二人を見つめながら、噛みしめるように呟いた。

「ところで、北上は水着をどうするんだろうか」

そんな疑問を抱いた時には、すでに二人の姿は見えなくなっていた。

- Fin -


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[ 2015/07/25 19:30 ] 艦これショートストーリー 短編 | TB(-) | CM(2)

どうも。スイカバーの食べ過ぎで冷気能力に目覚めそうになった花兜です。

雷鳥さんの好きなあぶきたがついに形として実現されましたね! しかし北上を見ていると嫉妬してしまう。それは俺の役目だ!! という冗談は置いといて、私はカレーもやきそばもバッチコイです。夏は暑いから食欲が増しますね。冬は寒いから食欲が増しますね。秋は涼しいから食欲が増しますね。春は清清しいから食欲が増しますね。

さて、アンデッド提督の私はどんな水着が似合うでしょうか。
[ 2015/07/25 19:55 ] [ 編集 ]

>花兜 さん
あぶきたはいいですよ、あぶきたは。
最近まであぶきたはすごく人気があると思っていたのですが、やはり大北の方が勢力が上と分かって驚愕しています。
シブに上げたネタだとあぶきたの方が回覧数稼いでたんだけどなぁ。
大北も好きなのでいいのですがw

暑さで少し食欲が落ちればいいのですが、全然落ちなくて困っていますw
最近(ネタ補充のため)外食が増えたので体重が気になるお年ごろです。

水着はやはりブーメラン一択でしょう。
肉体を売りにするアンデットならその肉体を前面に押し出すブーメランしかありませんな。
さぁ、肉体を解放するのです!
[ 2015/07/25 20:40 ] [ 編集 ]

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